VTEP【VXLANトンネルエンドポイント】VXLAN Tunnel End Point
概要

VXLAN(Virtual eXtensible LAN)は、LAN内に複数の独立したネットワークを作り出すVLANを拡張した技術であり、インターネットなどの広域IPネットワークを経由して遠隔地間のLANを一つのVLANとして結合する。従来のVLANは識別子(VLAN ID)が最大4094個に限られていたが、VXLANでは24ビットのVNI(VXLAN Network Identifier)を用いることで、理論上約1677万個の論理ネットワークを識別できる。
VTEPは各LANとIPネットワークの境界に設置され、遠隔地のVTEPと仮想的な通信路を確立してフレームを転送する。VNIや宛先MACアドレス、接続先ポートなどの情報を管理し、適切な転送先へカプセル化したパケットを送る。一般にVXLAN対応のネットワークスイッチの機能として実装されるが、サーバ内の仮想スイッチにソフトウェアとして実装される場合もある。
LAN上の機器側からはVTEPの存在やカプセル化の処理は見えず、特別な設定や機能の追加なしに、遠隔地の機器とも同一のLAN内にあるかのように透過的に通信できる。IPルーティングを挟まずにレイヤ2(イーサネット)レベルで直接通信できるため、IPアドレスを変更せずに仮想マシン(VM)を別のデータセンターへ移動させる「ライブマイグレーション」などに用いられる。また、データセンターやクラウド基盤で多数のテナントごとにネットワークを分離する用途でも利用される。
初期のVXLAN環境ではVTEP間の接続先情報を静的に設定する方式が用いられていたが、大規模な環境では管理が煩雑になる。このため、近年ではEVPN(Ethernet VPN)を制御情報をやり取りするコントロールプレーンとして利用し、VTEP同士がMACアドレスや経路情報を動的に交換する構成が主流となっている。