MTTF【Mean Time To Failure】平均故障時間
概要

「MTTFが10年」という場合、同一条件の機器を多数稼働させたとき、故障するまでの稼働時間の平均が10年であることを意味する。実際の測定では、同じ種類の部品や装置を複数用意し、それぞれが稼働を開始してから故障するまでの時間を計測し、その合計を試験に投入した個体数で割って平均値を求める。個々の製品が必ずその時間まで動作することを保証する値ではない。
MTTFは、電球や使い捨てのセンサー、密閉型のハードディスク、電源装置、半導体など、故障した際に修理を行わず新品への交換や廃棄を前提とする「非修理系」の機器や部品に対して適用される指標である。これに対し、サーバやネットワーク機器のように故障後の修理や保守を前提とする「修理系」のシステムでは、ある故障から次の故障までの平均稼働時間を示す「MTBF」(Mean Time Between Failure)が用いられる。
製品や部品の故障しやすさを表す指標としては、「FIT」(Failure In Time)も併用される。FITは、総稼働10億時間当たりに発生すると見込まれる平均故障件数を示す値であり、MTTFの逆数に10億を乗じることで算出される。MTTFが時間そのものを表す単位であるのに対し、FITは一定時間当たりの故障頻度を表す単位であり、両者は相互に換算が可能である。MTTFが大きい機器ほどFITの値は小さくなり、故障率が低いことを示す。半導体業界などでは、部品の信頼性を比較する際にFITが広く用いられている。
信頼性工学では、製品の故障率が時間に対して一定であると仮定した場合、MTTFは故障率の逆数として表される。この関係を利用し、設計段階での寿命予測や保守計画の策定、異なる製品や部品の信頼性比較などにMTTFが利用される。ただし、実際の故障発生状況は使用環境や温度、湿度、負荷条件などの影響を受けるため、公表されているMTTFの値は、一定の試験条件や統計モデルに基づいて算出された参考値として扱われる場合が多い。