IMAPS【IMAP over SSL/TLS】IMAP over SSL/IMAP4S
概要

「IMAP」(Internet Mail Access Protocol)は、メールサーバ上の受信メールをメールクライアントから取得・管理するための標準プロトコルである。サーバ上にメールを保存したまま閲覧やフォルダ管理、既読状態の同期などを行うことができ、複数端末から同じメールボックスを利用する場面に適している。設計が古く、それ自体には通信内容を暗号化する機能がないため、インターネットで使用すると伝送経路上でアカウント名やパスワード、メール内容が第三者に盗み見られるリスクがある。
IMAPSでは、IMAP接続を確立する前にサーバとクライアントの間で「SSL」(Secure Socket Layer)あるいは後継の「TLS」(Transport Layer Security)による暗号化された通信路を形成し、その上でIMAPのやり取りを行う。通常のIMAP接続がTCPの143番ポートを使用するのに対し、IMAPSでは993番ポートを使用する。サーバ証明書によって接続先の正当性を確認する仕組みも備えており、なりすましサーバへの誤接続も防ぐことができる。
現在では、143番ポートのまま「STARTTLS」コマンドで途中から暗号化へ切り替える方式も広く利用されている。IMAPSのように接続開始時点から暗号化する方式は「Implicit TLS」、STARTTLSを用いる方式は「Explicit TLS」と呼ばれ、使用するポートと暗号化を開始するタイミングが異なる。最終的にはどちらもTLSで通信を保護する点では同等である。
多くの電子メールサービスやメールサーバはIMAPSまたはSTARTTLSによる暗号化接続に対応しており、平文によるIMAP接続を無効化しているサービスも少なくない。メールクライアントの設定では、サーバ名に加えてポート番号と暗号化方式を正しく指定する必要がある。